談議155≪『マリコの嘆きのセレナーデ』への返信2≫ マリコさんからのお便りです。
「マリコの嘆きのセレナーデ」を拝見、マリコさんの病気との壮絶な闘いに何と言ってお慰めしてよいか、言葉もありません。実は川崎に在住の私のすぐ上の姉93歳(大正12年の大震災の時生まれた)は近所の公園で家族とお花見に行き、頭上の桜に見とれながら皆に遅れないように歩き出し、小穴につまずいて転倒骨折となりました。痛い思いをしてチタンを入れ、車椅子の生活となり、現在は施設内でおとなしく暮らしています。先年見舞いに行きましたが何にもしないで、少しの読書だけの毎日です。 それに比べると、マリコさんは芸のため、そしてそれよりも同胞の幸せのために、敢えて高度の外科医術に挑戦して、平凡なチタンから再手術で最新の人工関節への交換に踏み切られ、そのための大きな苦痛に耐えておられる姿を瞼に浮かべて胸が痛み、その勇気に感動しております。本当に、我々友人、ファン一同が少しずつでもその痛みを分けてもらえたらいいのに、と天を恨むような気持なのは私だけではないでしょう。 ただ、主治医の先生たちが4月、6月の公演には間に合う見込みで治療してくださっているのでしたら、希望の大きい期限つきの戦いです。もうお正月も半ば「もうひと踏ん張りをお願い」と祈るような気持ちで遠くから応援しています。 (熟連) 五十嵐司
五十嵐さん
ご無沙汰しております。マリコです。
早々の優しい励ましのお便りをありがとうございました。
心を救う数々のお言葉...本当に有難く、嬉しく、幸せです。
中でも「期限つきの戦い」の文字は落ち込んでいた私の心に綺麗な水を注いで下さり辛い気持ちを少し洗い流してくれています。
今年でこの肩との戦いは20年を迎えますが、2010年の人工関節置換術後「もう大丈夫」と、改善されることを楽しみにしていました。しかし、7年という時間をかけて肩の中の骨が溶け、人工関節が徐々にずれた様子。痛みとの戦いに負け、結果 人工関節除去手術を受けた次第です。
ただ この症状を発見するのには、人工関節置換術後6年以上経たないとMRIを受けることができず、結果、ここまで悪化したそうです。でも、次の手術を受けることができたら、『痛みは80%は取れるよ。肩も、腕も上がる様になるから大丈夫!!!』と先生から言葉を貰っていますので、正に「期限つきの戦い」ということになります。
毎日の躓きの中『どうなるのだろう?』という不安な気持ちばかりが先に立ち つい落ち込み弱気になる私。
情けないですよね…でも、これから落ち込む度に五十嵐さんのお言葉を思い出し頑張ります。
そして五十嵐さん、私はもう既に多くの皆様から救ってもらっています。
私が長年の痛みと戦い頑張って来られた大きな力の源は…。
ブラジルで頑張っておられる五十嵐さんはじめ、多くの日本人、日系人の皆様の頑張って来られた姿です。
過去14年間に様々な『生きる凄さ、生きる力、生きる素晴らしさ』を教えていただきました。
語り尽くせぬご苦労があれど、今、見せて下さる優しい笑顔は本当に凄いです。素晴らしいです。
勿論、笑顔の下に未だ苦しみや悲しみを持っておられる方々も多くおられると思いますが、それを乗り越え前進される力は本当に凄いパワーであり、素晴らしいエレルギーと思います。
そんな皆様に触れ合わせて貰える私は幸せ者。そのエレルギーを与えられたくて毎年訪れるブラジル。
ただただ、皆様に心から感謝するだけです。泣き言、弱音を吐く私...本当に情けないですよね。
改めて、心強く持ちます!!!。 五十嵐さん、本当にありがとうございます。
期限を乗り越え、元気な姿でブラジルに帰ります。どうぞ今年も宜しくお願いいたします。
うふふ...熟練クラブで軍歌や童謡、叙情歌、演歌、歌謡曲、ひばりさんの歌を、皆様と歌わせて頂いた時のことを思い出しています。
最後になりましたが、お姉様に心からのお見舞いを申し上げます。人工関節はどこに入れられたのですか?
せっかくのお花見、皆様に遅れない様に…と、昔の方の周りを気遣うお気持ちが返って今の不自由な状態を作ってしまわれたのですね。きっと後悔の気持ちと、悲しい気持ちで居れることと思います。
我が母も足が弱り、本当にゆっくりの歩みになりました。何をするにも驚くほど遅くなりました。
また、少し認知症にもなっておりますので同じことを繰り返すことが増えました。それでも「人に迷惑をかけてはならぬ…」と周りを気遣う気持ちが強く、痛みのある私は、「ふうちゃん(ブラジルに行った頃からこの様に呼びます。今では本人自身も)早くしてよ」と言う始末です。
お姉様もそうですが、昔の方々は、まず人のことを考え行動される素晴らしい心を持った方が多く、本当に頭が下がります。
お姉様の人工関節はどこに入っているのでしょう? 股関節ですか? 膝ですか?
もう少し暖かくなり、お元気になられたら歩行練習ができ、またお花見ができるといいですよねぇ〜。
マリコさん
貴女が、大正・昭和・平成の御代に生きたこの私さえ今までに聞いたこともないような大病の辛苦に耐えておられるのに、ただ手をこまねいているばかりのもどかしさに、つい筆を執りましたのに、過分のお言葉を頂き,只々恐縮しています。その上、同病相哀れむべしとは云いながら、内地に居る小生の姉にまで心を寄せて下さる、優しい貴女のお心遣いに打たれ、早速姉宅へお便りを転送して特養施設内の姉に渡してもらえるようにいたします。姉のケースは膝部の骨折でした。 年半ばには回復されてお元気になった貴女のお姿を見、お声を聴くのを皆で楽しみにしております。 五十嵐司
このマリコさんの写真は、クリチーバの石田さんが送って呉れたものです。