仙台の洞林寺のイペーの今後の生育に期待! 有隅先生からのお便りです。
 
 
和田さん 有隅です 
 
 
 
失礼を重ねておりましたが、どうかお許しください。今回の日本ご訪問、早速千葉で開かれたイペーサミットでの大変な盛り上がりを拝見して、当方も大いに嬉しくなりました。恂にご同慶の至りで、今回のご訪問が最後まで恙無く、かつ最大の収穫が挙がりますよう、心から願っております。
 
 
 
それに和田さんの永年の念願でありましたイペーの日本での普及も、私どもがT.albaと出会うことが出来て以来、俄然視界が開けて参りました。残された問題点は、このT.albaの内包する遺伝変異の中から、最高の耐寒性遺伝子型をどう探し出すかに、総てが掛かっていると思 っています。多少の試行錯誤が続くと思っていますが、ゴールは間近です。
 
 
 
 
 
吉田さん 初めまして。横から失礼いたします。実は仙台が東北の地にありながら、私が想像していた以上に温暖なことを知り、目下進められているイペーのトライアルで、きっと良い結果が出るのではないかと、大いに期待いたしております。その理由の詳細はご覧になったかも知れませんが、もう一度引用しますと;
 
 
 
「前田さん 和田さん 「花咲爺の会」の皆さん  有隅です 
 
 
 
前田さんの北海道へのイペー植栽(寒冷適応性)に関するトライアルを、私は大変な期待を込めて見守っています。問題は、T.albaの種内変異の中から最高の耐寒性系統をどう引き出すか、そしてそれは具体的に、零下10何度まで耐えられる遺伝子型なのか、ということです。
 
 
 
北海道の過去の極温を気象庁のデータから拾うと、これまでの最低の記録は、旭川零下41℃(以下「零下」を省略)、札幌28.1℃、函館21.7℃で、これでは全く問題になりま せん。その点室蘭は13.4℃、江差12.7℃ですから、T.albaの最高の耐寒性系統を以ってすれば完全な露地裁倍でもイケルかもしれません。要はT.albaの究極の遺伝子型が吹きっ晒しの戸外で、何度まで耐えられるかということで、施設内で加温や補光をするのなら、北極だってイペー栽培は可能なはずです。
 
 
 
この極温調べで面白かったのは、仙台です。記録は零下11.7℃ですから、T.albaなら何とかいけそうです。「花咲爺の会」で仙台でのトライアルがなされていますが、希望が持てるのではないでしょうか。
 
 
 
また関東では、東京9.2℃、さいたま8.8℃、横浜8.2℃、銚子7.3℃、千葉5.2℃と、零下10℃を切ったところが多いのも、注 目されるところです。
 
 
 
なお、気象には微気象がありますから、最寄りの測候所のデータにその土地々々の、日々の補正が要りますし、また植物サイドから言えば、例えば秋に強い剪定をして新梢を誘発する――つまり貯蔵養分を消耗し尽くした形で厳冬を迎えるといった処置は、大厳禁です。北半球の耐寒性の強い植物「種」でも、これをやると「イチコロ」ということになります。
 
 
 
それから気象庁の具体的入り方は;
 
(1)「各種データ・資料」
 
(2)「気象観測データ」中の「過去の気象データ検索」
 
(3)地点を選択
 
(4) 「地点ごとの観測史上110位の値」
 
(5)「日最低気温の低い方から」――という風に検索していけば、目的が果たせます。
 
このようなデータから、色んなことが読み解けそうです。試してみてください。」
 
 
 
素材を変えた繰り返しが必要になるかもしれませんが、大いに期待をかけております。この冬は、幹回りに多少の保護が必要かもしれません。
 
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