「和田PA-T.alba」の、私の所での発芽状況 有隅先生からのお便りです。
 
 
北島さん 小出さん 前田さん 池田さん 和田さん
 
                         有隅です
 
 
 
小出さんの取り纏めで十二分だと思いましたので、わざわざ加筆も不要と失礼していましたが、若干の追加を致します。
 
 
 
和田さんが房総サミットの折にお持ち頂いた「和田PA-T.alba」の、私の所での発芽状況についてです。
 
 
 
小出氏経由
11-1播種
前田氏経由
11-3播種
11/8
3
 
 
11/9
28(31)
11/9
2
11/10
17(48)
11/10
1(3)
11/11
20(68)
11/11
1(4)
11/12
5(73)
11/12
0(4)
11/16
25(98)
11/16
3(7)
不稔未発芽37   98/135=72.6%
不稔未発芽58  7/65=10.8%
 
                        ()内は累積発芽数
 
この2つ播種に関して気付いたことを列記しますと;
 
(1)和田さんが早採りではなかったかということだったので、シャクナゲでの早採り蒴における冷蔵庫内での追熟法を紹介したところ、前田さんが早速採用して下さいました。
 
 
 
(2)ところが結果は、むしろ「負」の方向に作用したように思えます。つまりイペーの場合はシャクナゲと異なり、幼胚が蒴の養分を収奪しながら自らの成熟を進めるのではなく、逆方向への収奪が進んだのではないか、と推察しました(まだ力のない幼若実生に着蕾した場合、春先に花蕾と腋芽との間に競合が起り、新梢の生長が優先して花蕾がabortする現象がしばしば起こりますが、これに類似したことが起ったのではないか、と考 えました)。
 
 
 
(3)ただ小出氏経由の種子には、この発芽期間中にカビなどの微生物による汚染が全く見られず。終始綺麗な発芽床のままだったのに対して、前田さんのそれは酷い汚染が発生しました。
 
 
 
(4)この違いをどう考えるか、イペ-における安全、かつ確実な播種法を確立するために、検討の余地充分な課題ではないか、と考えました。なお、前田さんが常用しておられる用土への直接播種では、種子の汚染などは確認不可能です。
ママゴト遊びのようですが、キッチンペーパー播種に私が拘ります最大の理由は、出来るだけ確りしたデータを、と考えているからです。