≪花談義611≫ 今年初めての自然観察山歩き しゅくこさんのお便りです。

 

杉井さん & みなさまへ

                しゅくこです

 

甲山の神呪寺 ちょっと恐い名前ですね

もう桜ですか。 相変わらず甲山を庭のように歩いてらっしゃるんですね。

わたしの方も 春を告げる自然のなかを毎日何かの発見をしては楽しんでいます。以下はそんな備忘録です。もしよろしかったらのぞいてみてください。

 

21年の1月 新年の逢山峡の自然観察山歩きは、前に書きましたように「The 雪 が 挫折)」ではじまりました。

「だいじょうぶよ、こんな程度の雪」 といわれても、よちよち歩きのわたしは負け犬のような無惨な気持ちで駅から引き返しました。心身ともにがっくりでした。

 

 さて、やっと次の日がやってきました。 2月4日 天気予報は何度聞いてもこんどこそ微塵の疑いもなく晴れ。

前夜にリュックの中は点検ずみ。あとは靴のひもを結ぶだけ。

そのとき、ふと視界のなかにななめに白いものが流れているではありませんか。

「えッなんでよ? 縁起でもない!」 天を仰いでしばらく恨みがましく睨んでいましたが、「先月も今月も、よりによって・・。わたしは雪女かい?」と自分に悪態をつく。

あきらめるまでしばらく時間がかかった。美知子さんに電話。

この日は車で行く予定をしていたので、スノ―タイヤをつけていない車では帰りの道中に不安もあった。

「こっちは晴れてるよ。電車でおいで、待ってるから」 スカッとした一言。その小気味良い響きに、わたしの心が急に前向きに弾んだ。

 神鉄唐櫃台(からとだい)を降りると、天気予報どおり晴れ。

そういうわけで、今年はじめての自然観察歩きは、いつもより一寸ダイナミックな渓流の音を聞きながら、りーダ―の説明に耳を傾け、気楽なおしゃべりもまじえて片道2時間。

花のない2月は、やがて春の表舞台にたつ花たちのために、舞台裏の裏方さんたちが忙しく活躍する月である。それが2月、どの季節も植物の大切な時期。

 

葉痕・新芽・トゲなど、目立たないはずの脇役たち。でもなんと表情豊かな事か。そのわたしのお気に入りの一部をここに紹介してみましょう

 

1) オオバ ヤシャブシ

 

これはオオバ・ヤシャブシと呼ぶそうだ。

わたしはオオバヤシ・ヤブシと覚えてしまった。あとで修正するのに10倍の時間がかかる。丸いカサの間にタネあって、小鳥たちはその間にくちばしをいれてついばむ。

そんな説明を聞いている間も、いそがしそうに樹々の間を飛び交うチチ,チチと声がする。

これはまた染料にもなる。どうりでテーブルに飾っていると、花瓶の中の水が茶色くなった。

 

2) クロモジ 

 

花瓶に生けていると葉芽がでてきました

 

細い枝を軽く手折ると、とてもさわやかな香水のような香りがする。

和菓子用の楊枝を作る材料になるとか。和服姿の京美人を想わせるほど背筋がピンとしている。

 

3) 山火口 (やまぼくち)

これは名前が好き。いまは右端のような金髪状でドライフラワーにしても存在感がある

 

 

このほかにもお気に入りがむまだいくつかあるけれど、また次の機会に。

 

 昼は焼き芋を焼いてお腹いっぱいになり、わたしの持っていったマシュマロも焼いてこれが結構喜ばれました。

マシュマロはその辺に落ちている小枝に突きさして、焚火にかざして少し焦げ目をつけてほおばるのです。

 アメリカではバーベキューやキャンプで人気のあるおやつなんですよ

キャンプ場での火起こしはベテランたちのお手の物。後始末は側を流れる清流からバケツ一杯の水で。